カンボジアのスチームサウナ「チュポン」


カンボジアの村では、親から、産婆さんから、と伝えられ今でも忠実に産後チュポンが行われています。


クオームという土鍋にハーブを入れ、湯を沸かした蒸気を身体にあてます。

 

服は脱ぎ、鍋を抱える形で布をかぶって20分ほど蒸気をあてる簡易的なものです。

 

ハーブの材料、種類は家によって多少異なるものの、あたため、デトックス、血行を良くする、抗菌作用、風邪をひかない、肌をきれいに、など効果は共通しています。
 
産後、母親は1~3か月は1日に1回チュポンを行い、最低1ヶ月は重い仕事はせず、屋内の家事のみ行います。

 


このチュポンのハーブはフル活用されます。

蒸気を当てるのみならず、このハーブを入れて温めた鍋を、うつぶせになり腹の上に置いてお腹を温めます。

子宮収縮作用があり、肌をきれいに、そして痛みの緩和といった効果があるそうです。

 


赤ちゃんにもハーブは役立ちます。

生後20日間くらいは、大泉門が開いているので、早く閉じるようにと、クメール生姜(ボンレイ)をぬられます。

そうすることで、風邪をひきにくいといわれます。

 

 


特に産後直後は、あたためるため、すぐうつぶせになりベッドの下から火を焚きます。

 

産後1週間から1ヶ月は、身体を冷やさないよう水浴びもしないので、米焼酎とクメール生姜(ボンレイ)を混ぜたものを全身に塗ったり、これをおちょこ1杯、1日2回飲むなどして、内側と外側からあたためと肌をきれいにすることを行います。火照った体も落ち着くと言われます。

 

 


こーさんの村コートノール村の産婆さん。

55歳から75歳まで村で産婆を務め、1ヶ月20~30件ほどのお産を介助したそうです。

安全面の理由から、現在は産婆によるお産は認められず病院でのお産が推奨されておりますが、この産婆さんは失敗したことはないそうです。逆子でもなんのその。

 

産前から植物、ハーブなどから薬を調合しお産がスムーズにすすむよう飲ませ、産後はまた別の薬を調合し、産後の肥立ちをよくするといった知識にもたけています。もちろん産後チュポンは当たり前で、血行の流れを良くし肌をきれいに、身体を元に戻す効果に長けていると話します。